相続税はどうかかる 外貨建て債券の評価
相続時に亡くなった人が持っている金融資産に外国債券があった場合は
どのように評価するのでしょうか。
債券とは
債券とは「募集しているところにお金をかす」というものになります。
募集側から見れば 「資金調達のために借入できる先を募る」ことになります。
債券には、公共が発行体なら「公債」企業が発行体なら「社債」と呼ばれます。
国債は公債の方になります。
外国債券とは
外国債券というのは
外国の会社や公共事業に対する債券というもので、
外債と呼ばれます。
外債投資というものの場合もう少し幅広くなることもあります。
・発行先が外国籍
・発行場所が外国
・買ったとき・金利を受け取ったとき・償還した時に外貨で行われる
これが外貨建て債券と呼ばれます。
比べるとわかるのですが、日本円で債券を買うとあまり利率が良くないため
高めの利率が魅力です。
日本の債券の状況
利率の違いを見るのに次の商品を見てみましょう。
日本円の債券で販売されているシンプルな債券に「個人向け国債」があります。
2020年6月4日から募集のもので見てみると
固定金利5年で、利率が年0.05%です。
利払いは7月15日と1月15日になります。
地方債の中には
住民参加型債券があります。その地域に住んでいる、または法人があるなどの要件があります。
2020年時は区市でいくつか発行予定がありました。
福島県債の場合
5年で利率が0.1%です。(ふくしま復興・創生県民債 5月29日発行)
利払いは5月29日と11月29日になります。
一般的に企業が募集する社債の方が利率は高く、無担保型が多くなっています。
外貨建て債券の状況
上と同じ時期に比べてみましょう。
<アンデス開発公社豪ドル建債券>
年1.83% 5年
<アンデス開発公社NZドル建債券>
年1.80% 5年
(2020年6月5日調べ)
すでに発行されている債券では
日本では身近な楽天もあります。
楽天 米ドル建社債
年3.546% 残存期間 4.5年 購入単価108.3
(2020年6月5日調べ)
外貨建ての方は利率は高くなりますが、為替リスクがあります。
「いくらの時に買っていくらの時に相続発生」となっているのかが大事になります。
外貨建て債券の評価
さて、前置きが長くなりました。
ここからが評価までの流れです。
外貨建て債券は
金融市場で流通しているものの場合、<上場している利付公社債>に当てはまります。
「公」と「社」いずれの債券もという意味になります。
計算方法は
ココがポイント
市場価格の最終価格+相続開始日時点の既に発生している経過利息の金額
です。
ここまでは外貨建ての金額のままで計算を行います。
その後日本円に戻した場合の計算を行います。
ここがポイント
日本円に戻すのは相続時点でのレート
日本円に戻す計算がされるタイミングですが、相続開始時点となります。
ここがポイント
TTBレート(日本円に戻すときに使われるレート)を使います。取引されていた金融機関のレートを使います。
このレートは、通常の金額よりも手数料が乗っている金額になります。
豪ドルで例えると
1豪ドルが77円であった場合
TTBレートは、手元に日本円として戻すのに75円となっています。
円が小さくなる=戻ってきた日本円は手数料が引かれ、小さくなっています。
2円分が為替手数料ということです。
このようにして外貨建て債券の評価を行います。
こちらもどうぞ
相談事例 相続になったとき身の回りで困ることがあるのではと思っています
続きを見る
この記事内容は作成当時のものであり、その際公的な情報から精査確認をしています。
しかしながらお読みになった方に損害が生じても、一切の責任をお持ちすることができません。
最終的にはご自身の判断や専門の税理士にご相談ください。