老後のお金に重要な役目 運営管理機関の役割
勤務先で行っている、確定拠出年金は個人加入以外に企業内でも導入されています。老後のお金を準備するための役目をしている運営管理機関について触れたいと思います。
確定拠出年金制度が社内にある場合、(ここでは選択型なども含めて企業型確定拠出年金と総称します)その制度をつかさどる企業があります。これらは運営管理機関と呼ばれています。
運営管理機関とは
運営管理機関には、証券会社・銀行・信用金庫・保険会社・独立系機関などがあります。
※2020年4月現在で221社
運営管理機関には大きく分けると2つの仕事があります。
運用関連業務と、記録関連業務です。
運用関連業務
・運用商品の選定
・運用商品の情報提供
・加入している人(拠出している人)への指示
記録関連業務
・住所、氏名、管理資産額など加入者ごとに記録、保存、通知
・運用指図の取りまとめなど
・受取開始となる給付者の裁定
この運営管理機関を選び、制度設計を行い、加入者教育を行うのが事業主となる勤務先となります。
お付き合いがある金融機関がすでにあれば、そこからスタートする場合も多いようです。
運営管理機関の評価も開始
確定拠出年金制度を社内ではじめる数が多くなるにつれて、新しく初めた金融機関やサービスを開始した証券会社などもふえました。
これはより良いサービスを提供するところも増えてくるチャンスといえます。
2018年7月に確定拠出年金制度が一部法改正の公布がありました。少なくとも5年ごとに事業主となる勤務先が評価を行っています。
委託内容の検討をし、委託内容の変更や運営管理機関の変更を行うこともできます。その結果を加入者となる拠出者に報告をしていくことになっています。
基本的な姿勢として運営管理機関に求めるものは、「加入者の利益を最善に」というものになります。
・情報の継続的提供が分かりやすくなっているか(コールセンターやウェブ情報)
・商品がグループ会社に偏っている場合、加入者の利益のみを考慮したものと言えるか
・事業主からの商品追加や除外希望を拒否する場合、加入者の利益のみを考慮したものと言えるか
運営管理機関の変更には社員の同意も
もし運営管理機関の変更となった場合、新しい運営管理機関の設定に手数料がかかります。社員の同意も必要となります。
メモ1
確定拠出年金で払っている金額は控除対象
確定拠出年金は、拠出額(給料の中から会社との取り組めの中から自分で決めた金額)が「小規模企業共済等掛金控除」となります。
「〇〇控除」というものは年間の収入に対する所得税を計算するうえで、計算の中に含まれないため、実質節税になっています。
【例】
・住宅ローン控除
・生命保険料控除
・医療費控除
メモ2
給与などから控除があるから税金が抑えられている
税金の計算をする前に行う流れの中に「税額控除」と「所得控除」があります。
税額控除→「所得税」からの控除
所得控除→「総所得金額」からの控除
【例】
税額控除→住宅ローン控除
所得控除→生命保険料控除、医療費控除
確定拠出年金の拠出したお金となる小規模企業掛金等控除は「所得控除」になります。