企業はなぜ自社株の買いを進めるのか

先日の新聞に自社株を買う企業が増えている
という記事が載っていました。

なぜ自分の会社の株を買うのでしょうか?

以前は退職金制度として会社の株を社員が買う話も書いています。

自分の会社の株を企業自身が買うということは
自分の会社のお金を使って株を買うということです。

自社の株が買われるということは価格が上がる可能性があります。
反対に、自社の株価が下がる情報を持っていた場合には
価格が下がるので自社株を買いやすくなります。

俗にいう「インサイダー取引」と思われてしまったり等
よくない印象が多かったのですが

一定のルールを設けて
自社株でも買えるようにしましょう、としたのが始まりです。

自社株を買うことでのメリットの中から
会社で役立つものとして、
いくつか紹介したいと思います。

ひとつめは

会社の財務状況の改善

です。

一株当たり当期純利益というものがあります。

株を会社が買うことになると、
市場に流通する株の数が減ります。

利益は変わらないので、一株当たり利益が増えれば

株を買うときの指標となる
ROE(株主資本利益率) が高くなります。

ROE=一株当たりの利益÷一株当たりの自己株主資本

一株当たりの利益=当期利益÷発行株式数
一株当たりの自己株主資本=純資産÷発行株式数

例えば・・・・

当期利益が1000万円の会社があったとします。
発行株数は20000です。
純資産は1億とします。

一株当たりの利益は 1000万円÷発行株数20000なので
500です。

発行株数が自社株買いで減り10000となった場合
1000となります。

次に
一株当たりの自己株主資本
1億÷20000なので 50000となります。

発行株数が自社株買いで10000となった場合
1億÷10000なので 10000となります。

自社株買いを行っていない状態の場合
500÷50000なので0.01です。

自社株買いを行った場合
0.1となります。

このように自社株を会社が買うことの理由の一つとして

株主利益率があがるため、
株主に対する貢献度が上がり、効率的な経営をしていくためというものがあるのです。

中小企業の会社の相続対策

です。

中小企業の場合上場していない会社が多いと思います。