年の差夫婦で年金受給 夫がなくなったら年金はどうなる
年齢差のあるご夫婦|万が一のときの年金(遺族年金)ケーススタディ
年齢差のあるご夫婦は多くいらっしゃいます。
この記事では、「15歳年齢差・子どもなし」の夫婦を例に、万が一のときの年金(遺族年金)を整理します。
この記事でわかること
・15歳年齢差のある夫婦で、夫が亡くなった場合の遺族年金の考え方
・子どもがいない場合の受給の整理ポイント
・妻が65歳になったときに年金がどう変わるか(考え方)
年齢差のあるご夫婦では、万が一の際に受け取れる年金の内容が「残される配偶者の年齢」によって大きく変わります。
本記事は、制度の細かな条件をすべて網羅するものではなく、「どんな視点で備えるか」を考えるためのケーススタディです。
※本記事は当時の制度・情報をもとに記載しています。年金制度は法改正等により変更されることがあります。
最新の制度は、日本年金機構など公的機関の情報をご確認ください。
ケース設定:夫61歳・妻46歳(子どもなし)
- 夫:61歳
- 妻:46歳
- 子ども:いない
- 年齢差:15歳
年の差夫婦の場合、万が一のことも考えておくと安心です。
生きているときの年金(老齢年金)は、妻が65歳となった時点で受取額が変わったり、受け取る要件が変わることがあります。
(※この部分は別記事へリンクしている想定:「こちらのページ」でどうぞ)
もし今、夫が亡くなったら:妻46歳が受け取るのは遺族年金
もし今の時点で万が一の場合、妻は46歳です。
受け取る年金は遺族年金になります。夫が老齢年金を受け取る要件に当てはまっていれば、受け取れる年金になります。
老齢年金と同じく、
国民年金の部分は遺族基礎年金
厚生年金の部分は遺族厚生年金
それぞれで支給される要件があります。
遺族厚生年金:被保険者(夫)の要件
- 被保険者(ここでは夫)が死亡したとき、または被保険者期間中の傷病がもとで初診の日から5年以内に死亡したとき。
(ただし、遺族基礎年金と同様、死亡した者について、保険料納付済期間(免除期間含む)が国民年金加入期間の3分の2以上あること)※ただし令和8年4月1日前の場合は死亡日に65歳未満であれば、死亡日の属する月の前々月までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに、保険料の滞納がなければ受けられます。
- 老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき。
- 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したとき。
遺族厚生年金:受け取れる人(遺族)の要件
死亡した者によって生計を維持されていた、次の方が対象になります。
- 妻
- 子、孫(18歳到達年度の年度末を経過していない者、または20歳未満で障害年金の障害等級1・2級の者)
- 55歳以上の夫、父母、祖父母(支給開始は60歳から。ただし、夫は遺族基礎年金を受給中の場合に限り、遺族厚生年金も合わせて受給できる)
※子どものいない30歳未満の妻は、5年間の有期給付。
→ ここでは妻46歳なので、5年の有期給付には該当しません。
※子どものいる配偶者・子は、遺族基礎年金も併せて受けられます。
→ ここでは子のない夫婦に該当するため、遺族基礎年金は受け取れません。
40歳以上の残された妻:中高齢寡婦加算
40歳以上で残された妻には中高齢寡婦加算があります。
中高齢に対する加算額は、妻40歳から65歳未満まで支給されます。
要件
- 夫が亡くなったとき、40歳以上65歳未満で、生計を同じくしている子がいない妻
- 遺族厚生年金と遺族基礎年金を受けていた子のある妻が、子が18歳到達年度の末日に達した(障害の状態にある場合は20歳に達した)等のため、遺族基礎年金を受給できなくなったとき
年額で58万6300円(2020年度)が、遺族厚生年金に加えて受給となります。
妻46歳から受け取る遺族年金は、
・中高齢寡婦加算
・遺族厚生年金
となります。
参考:経過的寡婦加算
昭和31年4月1日以前生まれの妻に、65歳以上で遺族厚生年金の受給権が発生したとき等の要件があり、遺族厚生年金に上乗せで支給されます。
妻が65歳になったとき:年金が変わる
46歳で受け取っていた遺族年金は、遺族厚生年金と中高齢寡婦加算でした。
年月が経過し、妻が65歳になった段階で、また年金は変わります。
妻の老齢年金が65歳から支給されるので、
「遺族年金」+「老齢年金」から支給されます。
妻に老齢厚生年金の受給があるならば、
中高齢寡婦加算がなくなった後にはじまる老齢厚生年金を満額反映させることになっています(2007年度以降より変更)。
そのため、遺族年金のうち、老齢厚生年金の相当分は停止となります。
注意点(裁定請求)
遺族厚生年金の受給権者が、老齢厚生年金、退職共済年金または遺族共済年金を受ける権利を有するときは、遺族厚生年金の支給額の決定のため、「裁定請求」が必要となります。
※こちらの内容は法改正により変更されることがあります。お読みになったタイミングによっては最新の法改正を確認してみましょう。
