40代向け 中古マンションは購入と賃貸どちらが良い?
こんな方におすすめ
- 賃貸に住み続けようか、中古マンションを買おうか悩んでいる人
- 買うなら新築マンションより中古マンションの方を選びたいと思っている人
- そろそろマンションを買わないとローン契約ができないのではと心配している人
- 転職をする前にマンションを買おうと考えている人
- 中古マンションを買うのに夫婦でローンを考えたいと思っている人
40代で中古マンションを購入しようか、賃貸に住み続けようか、迷われる方は多いです。
そこで今回は、特に40代の方に向けて、中古マンションの購入・賃貸について解説していきます。
40代で中古マンション購入を考える理由
賃貸に住み続けることに漠然と不安を感じられている方がいます。
これは、人生100年時代といわれる昨今、賃貸だと払い続ける額が年々増え続けて、マンションを購入したほうが遥かに良いのではないか、という疑問から来ています。
たとえば、40歳から100歳まで、家賃10万円のマンションに住み続けたとしましょう。
単純計算で、7,200万円です。こう考えると、確かにマンションを購入したほうが良いと感じます。
住宅ローン申込のリミットが近い
40歳でマンション購入を検討される方が多いのは、一定以上の貯金ができてきたこと以上に、住宅ローンの存在があります。
住宅ローンは、商品にもよりますが、概ね75歳~80歳で完済できるように設定されます。
そして、最長が35年ローンです。
逆算すると、遅くとも45歳までには住宅ローンを組まないと、35年での契約はできないことになります。
そのため、タイムリミットが迫った40歳に突入した段階で、賃貸から購入への切り替えを検討される方が増えるわけです。
購入と賃貸のコストを比較
35年ローンとして、3,500万円の分譲物件を購入したとします。固定金利で有名な住宅金融支援機構のフラット35を例に取ると、2020年5月現在、1.3%です※。
この固定で組むと、月々103,768円の支払になります。総額43,582,693円です。4,400万円弱になります。
これをみると、35年で完済できて、60年で7,000万円以上も払うより絶対購入したほうが良い、と思ってしまいがちです。
※参考:住宅金融支援機構 フラット35 https://www.flat35.com/
住宅ローンや家賃以外の費用
しかし、問題はそう単純ではありません。かかるのは、住宅ローンや家賃だけではないからです。
(1)購入の場合
たとえば、分譲マンションなら、管理費や修繕積立金、固定資産税が発生します。これらに月3万円以上払っている、というケースが多いです。
上記費用は、変動する可能性があります。住み始めたときよりも管理費などが倍近く上がるリスクが存在します。
さらに住み続けていると、メンテナンスが必要になることもあります。つまりリフォーム代が発生します。
(2)賃貸の場合
賃貸なら、家賃以外の費用がかからないわけではありません。特に賃貸の場合、家族や仕事の関係などで、引越しが容易なのが特徴です。
そのため、賃貸で入っているマンションに何十年も住み続けることは少なく、引越しをする例がかなりあります。
そうなれば当然、引越し代が発生します。また、更新料がかかることも忘れてはいけません。2年で10万円が相場です。
個人の属性でコストは変わる
上記のように、住宅ローンや家賃だけではない、購入、賃貸にそれぞれの費用が存在します。これらの負担の度合いは、やはり個人の属性によっても変わってきます。
世帯の収入状況であったり、家族の職場、子どもの通学先、ライフスタイルなど様々な要因が絡んで、購入した場合と賃貸に住み続けた場合の優劣は、簡単に変わります。
誘導的な情報に注意
特に気をつけたいのは、恣意的な情報を鵜呑みにして決断をすることです。雑誌やwebサイトの情報発信者に注目しましょう。
それこそ、分譲販売を生業とする業者が出しているマンションマガジンやサイトであれば、当然、購入したほうが絶対にお得、という流れで広告されます。
前出のように様々な要素が絡んで優劣が決まりますから、諸費用やライフプランを上手に設定すれば、あたかも購入したほうが絶対に良い、と感じさせる記事を書くことは可能です。
逆もまた然りです。賃貸情報雑誌のコラムや、賃貸契約を取ってインセンティブをもらっている会社が制作しているHPでは、やはり賃貸物件に住み続けたほうがリスクヘッジになる、何かあってもすぐに引越しできて気軽、などメリットを推し出していきます。
購入・賃貸の優劣は一概にいえない
どちらが良いのかは、前述したように、個人の属性によります。収入や家族構成、勤務先など書類から判断できることだけではなく、実は個人の性格や将来設計、ライフスタイルこそ重要なポイントです。
特にコストの面では購入のほうが有利でも、本人の人生において考えると、賃貸のほうがハッピーなこともあります。反対に、シングルの方で両親との同居を考えて、バリアフリーの中古マンションを購入したいというケースも存在します。
このように、中古マンションを購入したほうが良いのか、それとも賃貸のほうが良いのかは、一概にいえない問題です。逆に一概にいえるとしたら、それは裏にマンションを売りたい、賃貸契約を取りたい、という思惑が隠されている場合です。
中古マンションは、購入と賃貸、それぞれにかかるコストが異なり、それは個人の要素によっても変わります。
利益を上げたい情報提供者の誘導にのらずに、自分の気持ちと、家族がいる方はその思いも大事にして、適切な選択をする必要があります。当事務所では、相談者のご希望を把握することを優先します。そして中立の立場から、将来的な展望を踏まえて、現実的な側面から有益と考える情報を提供いたします。