原油価格が下落 どんな影響があるのか
原油価格が下がるといいこともあればよくないこともあります。
日常生活に関連することもあれば世界的に悪影響が生じる場合もあります。
考えるためのヒントとしてご紹介します。
身近な暮らしで考えられる出来事
原油価格が下落をするとどんなことが想像できるでしょうか。
「身近なことではガソリン価格かな。」
「輸入が多い日本ではどうなのだろう。」
「電気やガスはどうなのかな」
いろいろなことが考えられます。
ガソリン価格は下がるのか
ガソリン価格は原油価格が下がれば下がるのかという期待。
これは難しいかもしれません。
ガソリン価格は税金が半分近くを占める価格設定だからです。
税金は3つあり、「石油石炭税」「ガソリン税」「消費税」がかかっています。
・採掘・輸入時点で「石油石炭税」
・ガソリンとして出荷された段階で「ガソリン税(揮発油税)」
・最後にガソリン購入段階で「消費税」
という流れになっています。
税金だけで価格の内訳として半分近くとなっていて、よほど石油価格が下がらない限りこれだけの理由で下がると考えるのは難しいかもしれません。
また価格が下がることがあるとすれば、「地域ごとに生じる需要と供給の違い」という考え方もあります。
燃料を利用する時期も含め、ガソリンの消費量が少なくなってくれば、供給過多になります。
そうすると価格は下がっていくことになります。
海外から輸入依存の日本
日本では輸入品が多く、生活の物資を支えています。
そのため物資を運ぶのに輸送会社の車で使われるガソリンは安い方が助かります。
輸送を行う企業には価格が下がった場合には大きな恩恵となります。
工場のエネルギー源となる電力
モノを作る工場はどうでしょう。
電力は2011年の東日本大震災以降、原子力の割合を数パーセント程度に減らし
天然ガスと石炭で70パーセント近く、石油は10パーセント弱、新エネルギーは徐々に増やしています。
出典:資源エネルギー庁ウェブサイト(https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/)「エネルギー白書2019」より
石油がここにも使われているので、大きく下がれば電力供給による価格は下がるかもしれません。
しかしながら、電気代の内訳もまた価格本体以外の費用が見直されており、値上げ傾向はいまだ続いている状況です。