相談事例その18 マンションを買う場合をシミュレーション 生活に影響がないか確認したい
相談者Rさん
Rさんは現在会社員の40代です。勤め先の関係で異動が多く、今まで賃貸で住んでいました。
今後は異動があってもある程度勤務地が決まっているので「自分の家がほしいな」と思いはじめました。
どんなふうに考えていけばいいか、もし目の前に欲しいと思ったマンションが出てきたときにどういう心構えがあるといいのか、そのための貯金はどのくらいしておけば安心か?相談に来られました。
大きな契約をする前にはっきりとしたルールを考えていただく
どの地域がいいか
すでにある程度住みたい場所を定めている方が大半です。その中でも通勤や保育園の送迎、学校までの距離などをふまえてお話を伺います。今回の場合はシングルの方なので、利便性が大きく電車通勤のため駅から近い場所となります。エリアで考えると広めですが「どの駅付近がいいのか?」で対象となる希望物件を絞ることができます。
返済可能な<住まいの価格>
融資(ローン)可能額は、以下のうち部分的にお聞きすれば金融機関での審査がはじめられます。
当事務所は融資目的ではなくお金全体の計画を立てる場所です。
そのため、返済をしても余裕ある暮らしができるかどうかを考えます。
~お聞きする内容の一例~
現在の収入
預貯金状況
勤務年数
ローンの有無
今後の勤務見通し
健康上の不安の有無
賃貸の場合、持ち家の場合
賃貸で続けたほうが合理的な地域もあります。「将来の住まいを確保する」という安心が優先の場合、マンション購入のために興味を持った物件や返済イメージがたてられるような継続的なフォローアップを行います。賃貸であってもマンション購入でも、最終的にご本人が満足で安心の住まいを得られることが第一だと思います。
魅力的な提案をされた場合
本当に住みたいマンションについて、独自のルールを作っておくと、提案されても断ることができます。よほどこだわりがある人ならば別ですが、慌てることなくじっくり進めていきましょう。
住宅ローン控除をフル活用できる物件
住宅ローン控除を考える際、お住まいの面積や返済期間などの要件があります。
収入に合わせてみてしまうと住宅ローン控除額が高い方もいらっしゃいます。「控除が最大利用できるから」と言って高めのマンションを買ってしまっては本末転倒です。
マンションを買う前に自覚しておきたいこと
マンションの場合、修繕積立金など管理にかかる費用が別にあります。これらは住宅ローンが終わっても永遠に続きます。マンション管理は長期でシミュレーションされていないと、自分が住んでいる間に管理費に対する必要なメンテナンスが万全にできない状況になってしまいます。
マンションは全住民の意見によって管理されます。
「管理」が重要です。修繕積立金は平米辺りいくらという目安があります。
積立金が少ないと、後から追加の一時的費用、積立金の変更があり、管理組合でまとまらなければ
あっという間に「メンテナンスができていないマンション」というイメージができあがってしまいます。
マンション管理や修繕の計画は必ず購入前に目を通しましょう。
ライフプラン作成でシミュレーション
今後の貯金から頭金を出すかどうか、頭金をあまり使わず殆どローンでもいいのか?その場合の住宅ローン控除の予定などを想定し見える化ができます。不安のない返済額、1年ごとの貯金の推移に不安がないかなどを確認しましょう。
まとめ
ここで大事なのは<買える価格><融資可能な価格>ではなく<返済可能な住まいの価格>にすることです。
会社にお勤めで収入が十分であっても、住まいの費用ばかりに支出を増やしてしまわないよう、全体のお金の流れを見てみるのは大事なことだといえるでしょう。